ソフトバンクがインド企業に100億ドル（1兆円）の出資を準備

ここ最近日系大手企業やベンチャーキャピタルによるインドのスタートアップへの出資案件が徐々に増えつつあります。
その中でも顕著だったのが、昨日発表されたソフトバンクによる投資案件です。

インド国内EC市場の２番手”Snapdeal“に対して6.27億ドル（約677億円）
インド版Uberとして人気のタクシー配車サービス”Ola“に対して2.1億ドル（約227億円）
（tech in asiaより）

それぞれ出資が決まった他、ソフトバンクの孫社長は今後インド企業に100億ドルの投資を行うことを宣言しており、インドのスタートアップ市場では大きな話題となっています。
インドのEC市場は現在非常に伸び盛りの市場でもあり、外資であるAmazon、ebayに加えて、インドEC企業の最大手FlipkartやJabongなど、多くのプレーヤーが群雄割拠の状態にあります。

またOlaも現在かなりのスピードでユーザー数を伸ばしており、インドに参入してきたUberを大きく脅かす存在になりつつあります。
インドのスタートアップの特徴として、海外のビジネスモデルをそのまま転用するケースが非常に多いのですが、このような形で欧米のサービスを脅かすまでに成長するインドスタートアップも徐々に増えつつあります。

【参照】
白熱するインドのEC業界の戦いと、知っておくべき8つの主要プレイヤーとは？
ソフトバンクによるSnapdeal本格資本参加でインドECは三国志状態

アドテクスタートアップAdNearがグローバル・ブレインなどから1900万ドルの資金調達

こちらも非常に大きな資金調達として、インド市場では話題になっています。
インドではECに次いで、BtoB関連のスタートアップが多くなっており、今回のケースもユニークなモバイルアドネットワークを展開するAdNearの将来性が見込まれての出資となりました。

グローバル・ブレイン株式会社（本社:東京都港区、代表取締役社長:百合本安彦、以下「GB」）が運営するグローバル・ブレイン５号投資事業有限責任組合は、シンガポール及びインドのバンガロールを拠点としてスマートフォンの位置情報をベースとしたモバイル広告配信プラットフォームを提供するAdNear Pte. Ltd. (本社:シンガポール、創業者兼CEO: Anil Mathews、以下「AdNear」) に、オーストラリア最大の通信事業者Telstra及び既存株主であるSequoia Capital、Canaan Partnersと共に総額19百万ドルの共同出資を実行したことをお知らせ致します。本投資は、GBにとってアジアにおけるベンチャー投資で過去最大の規模となっております。
（グローバル・ブレイン株式会社・プレスリリースより）

特筆すべきは、今回の出資でグローバル・ブレインとTelstraがAdNearの経営陣に加わったことにあります。
AdNearはシンガポールに本社を置き、オーストラリアを中心としたアジア市場を開拓してきているだけに、今後日本市場への進出も十分に考えられそうです。

BEENOSが「KartRocket」に200万ドルを共同出資

BEENOSはインドでno.1のオンラインストア開設サービスである「KartRocket」にインド VC「Nirvana」、米国 VC「500 Startups」と200万ドルの共同出資を行いました。

「KartRocket」はデリーを拠点とするる「BigFoot Retail Solutions Pvt. Ltd.」が運営するサービスであり、設立から２年で1900の有料店舗と10000の無料店舗が開設されている、インドで急成長中のスタートアップです。
前述したように、インドのEC市場は空前絶後の盛り上がりを見せており、それに乗っかる形で「KartRocket」もここ２年で大きく成長することができたようです。
（YOUR STORYより）

白熱するインド企業への投資

日系企業の投資が目立ち始めたのは本当に最近ですが、既に500startupをはじめとして、MicrosoftベンチャーズやGoogle等、多くの外資系企業やVCがインド市場への投資を行い始めています。

インド企業の中にはAdNearのようにインドで創業して、海外展開を積極的に行うスタートアップも多いため、今後も大型の投資案件は次々に増えてくると予想されます。
筆者も現在インドバンガロールにて、さまざまなスタートアップを訪問、調査していますが、引き続きインド独自のビジネスモデルを持ったスタートアップに注目していきたいと思います。