India Note|インドの現代を知るウェブメディア

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急速に変化を遂げつつあるインド文化。カースト制度って今どうなっているんだろう?

インド人の家に招待していただきました

昨夜、IIT  Bombay(注:何度も記事に出てくる、インドNO.1理系大学。MITを蹴っていく人も多いとか。)出身のジャヤクマールさんのお家にお呼ばれしました。
彼は大学卒業後、ある日本企業のインド支社で働いた後、合計3社を起業したシリアル・アントレプレナーです。

インドにおける起業やマネージメントなど、いろいろと面白い話を聞く事ができました。
インド人にしてはおっとりとした性格のジャヤクマールさんですが、1度盛り上がるとやはりインド人の血が騒ぐのでしょう。
怒濤のトークを披露してくれました。笑

その中で最も興味深かったのが、インドの歴史、その中でも”カースト制度”についてです。

インド人に聞いてはいけない”カースト制度”の今

皆さんは”カースト制度”と聞いて何を思い浮かべますか?
うろ覚えですが、高校の頃、世界史の授業で習って僕が持っていた”カースト制度”に関する知識は以下のような感じでした。

「 インドにおいてバラモン教の枠組みがつくられた際、バラモン・クシャトリア・ヴァイシャ・シュードラの4つの身分に大きく分けられるカースト制度(ヴァルナ)が定着した。この身分制度はインド人の日常生活に広く定着しており、法的に差別が禁止になった現代においても彼らは自らの身分に従って結婚・職業などにおいて制限を受けている。」

皆さんも高校で世界史を選択していれば、おそらく上記のような知識をもっていると思います。
僕はこれは日本にいる時も、インドに来てからも正しい知識だと思っていました。
なぜなら、その事を確かめる術がないからです。
外国人の僕にとって、どのインド人がどのカーストに属するかなんて分かるはずもないし、それをインド人に直接聞く事はタブーとされています。

そのため、インドに来てからずっと興味のあるトピックでしたが、今現代において”カースト制度”がどのように変容しているのかを知る事はできていませんでした。
これについて、ジャヤクマールさんはこのように話してくれました。

カースト制度による差別はなくなりつつあるし、まして、ベンガルールに国内至る所から様々な人種の人が集まっているから、ここではその傾向は非常に強いよ。まあ、田舎とかに行けばまだあると思うけど。」と。

もちろん、反論はあると思いますし、彼の発言も一つの意見であることは間違えありません。
彼の家柄は知りませんが、彼のその印象は学歴が高くお金もある中産階級の目線からのものです。

成長とともに失われつつある”インド人らしさ”

僕はジャヤクマールさんの話を聞いてこう思いました。
かつて日本が高度経済成長期に「日本人らしさみたいなもの」を失っていったように(僕が実際に体験しているわけではありませんが)、ここインドでも圧倒的な早さの経済発展の中で少なからずいわゆる「インド人らしさみたいなもの」を放棄しているのだろうということです。
しかも、現代には日本が大きく変わった時期にはなかったインターネットやSNSがあることによって、その広がりも速いのだと思います。

この文章において、「インド人らしさみたいなもの」とは”カースト制度”です。
”カースト制度”という社会の仕組みが崩壊しつつある事の是非はもちろん分かれると思います。
僕ら日本人にとって”カースト制度”は差別の根源のイメージが大きいですが、同時に宗教文化を失うことである、と考える保守派のインド人もいるだろうと考えられるからです。

ただ、カースト制度反対運動を行ったガンディーが今もなお尊敬を受ける存在であり続けていることからも、少なくとも大半のインド人にとってこのことは肯定されているのでしょう。

ガンジー
(今もなおガンディーはインド中の尊敬を集めている。)

インドに来て「インド人らしさみたいなもの」は180度変わった

皆さんはインドやインド人にどんな印象を持っていますか?
インド人、特に若い世代の人と話していみると、僕が持っていたインドの印象と大きく違う話を聞くことができます。

例えば、恋愛の話。

僕の中でも常識は「インド人はカースト内同士でアレンジされた結婚を強制されるから、それまで恋愛はできない」というものでした。
それは半分正解、半分不正解でした。先ほどのジャヤクマールさんの話にあったように田舎の方ではそのような風習が残っているそうです。
そもそも”インド人”はヒンドゥー教徒だけではなく、キリスト教徒とか他の宗教の人も多いので、普通に恋愛をしている人なんていくらでもいます。
さらに、ヒンドゥー教徒でも、普通に恋人がいて毎日電話している友人もいます。

インドに来て、本で読んだりするだけでなく実際に話を聞いて一次情報を得る事、この重要性に気づくことができました。
特にインドは僕ら日本人にとって固定概念の固まりのような所なので。笑
皆さんもインドに来る機会があったら、ぜひ色々なインド人と仲良くなってちょっと踏み込んだ話をできたら面白いですね。

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