India Note|インドの現代を知るウェブメディア

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【海外インターン】インドで学んだコミュ障の僕が飲み会を乗り過ごす方法とは

1.はじめに

こんにちは、伊藤耕平です。
バンガロールでインターンを始めて3か月が経ちました。
ITの知識が少しずつ身に付き、徐々に仕事をスピーディーにこなせるようになってきましたが、まだまだ目標にはほど遠く、修行の日々が続いております。

ただ決して辛いわけではありません。

というのも初期レベルが圧倒的に低い分、少しやればすぐに伸びる分野が沢山あるので、成長を実感しやすいからです。
だが、しかし。1つだけ、辛いものがあります。

それは「飲み会」です。

昔から、なぜか飲み会を心から楽しめないのです。
誰かの言葉で自分が笑ったとしても、自分の心の中にもう一人の自分が出てきて「今のは本心から笑ったの?」と囁いてくるのです。
飲み会から途中で逃げ出し、トイレで本を読んでいたこともあります笑

2.どうして飲み会が苦手なのか

苦手なことを克服する鍵は「どうして苦手なのか」をはっきりさせることです。
問題をはっきりさせれば、後はそれをピンポイントで解決すればよいのです。
戦略論の大家岡崎久彦氏が言うように、「問題点が全部わかれば問題は半ば解決したも同然」なのです。

どうして私は飲み会が苦手なのでしょうか。
それは「飲み会の本質」と「自分の興味の対象」が乖離しているからだと考えています。

個人にとって、飲み会の存在意義は「楽しむ」ことにあります。
更に、飲み会における楽しむ対象は、自己紹介や所属先、軽い冗談等、広く浅い会話達で構成された「ワイワイした雰囲気」です。
一方の私は、ある1人と向き合い、その人の興味や夢、またそれらを持つようになったキッカケや過去を掘り下げていくことに興味があります。

つまり、「狭く深く」の会話形式が大好きなのです。
さて、こんな私が飲み会に行くと2つの問題が発生します。
一体どのようなものなのでしょうか。
具体例を交えながら見ていきましょう。

飲み会が開かれた場合、私はとりあえず横にいる人(以後Aさんとする)がどういうものに興味があり、どんな時を過ごし、どんな未来を実現したいのかを聞き出したいと考えます。
会話もそれを聞き出すように行います。
「今なにをしていらっしゃるんですか?」「どうしてそれをしているんですか?」「昔から興味があったのですか?」などなど・・・。

しかし、1人の人間を長く引き留めておくことなどほとんどの場合できません。
必ず途中でAさんに違う人が話しかけ、会話が終了してしまう場合がほとんどです。

多くの人にとって、これは普通のことでしょう。
ですが、私はこういう状況下において、「とられた・・・。」と感じてしまうのです。
また、話の途中で例えばビールや料理が到着した場合、話を中断し、ビールの銘柄を聞いたり「肉うまそうですね」などのコメントを残す必要性が出てくるのです。

この場合も「話が中断してしまった・・・」と感じてしまい、結果ストレスが溜まってしまいます。
1対1コミュニケーションの継続の難しさによるストレス。
これが問題の1つ目です。

更に、飲み会においては、そのような1対1で会話をすること自体にも問題が内在しているのです。
1対1で会話をする場合、基本的には目と目を合わせてコミュニケーションをとることになります。
そして私と相手の会話は、他の人には決して聞こえないのです。

これが、マズイのです。一体どうしてでしょうか。
先程も申し上げた通り、飲み会の存在意義は「ワイワイした雰囲気を楽しむこと」です。
更に、この雰囲気を作り出すのは、言うまでもなく、私を含めた「飲み会の参加者」ですよね。
仮に参加者全員の力を持ってしても雰囲気を作り出せない場合、その飲み会は存在意義そのものを失ってしまうのです。

皆さんは、なんとなくシラけた飲み会を「つまらない」と感じたことはありませんか?
あれはなぜかというと、飲み会が存在意義を失ったからなんですよ笑

飲み会とは、「その目的が個々人がワイワイした雰囲気を楽しむことにあるが故に、存在意義の維持の為、その雰囲気作りに貢献することを半ば強制される場」であることを肝に銘じるべきなのです。
そして飲み会の参加者全員が、そのことを暗黙の内に了解しています。

しかし、1対1での対話では、この「飲み会の雰囲気作り」に貢献できません。
それは何故かというと、1対1コミュニケーションによって2人だけの世界が形成されてしまうからです。
これは、飲み会の雰囲気作りと逆行した行為ですよね。
この振る舞いを見せると、周りの人間は、あのセリフを口にします。

「お前ら、空気よめよ」

彼らは気づいているのです。2人が、飲み会の存在意義を奪い去らんとしていることを。
「2人きりの世界」は飲み会においては「存在意義を破壊する可能性をもつ危険分子」なのです。

自分の楽しむ対象である「雰囲気」を壊そうとしている危険分子。
上記の言葉の意味は、「周りに気を遣え」ではなく「俺の楽しみを奪わないでくれ」ということなのです。
彼らのそのような意思は、上記のような言葉で表現されることもありますが、ほとんどの場合、なんとなく感じ取ることができてしまいます。

これが、とても、とても辛いのです。
飲み会の存在意義を壊すものに対する嫌悪の視線が辛い。これが2つ目の問題。
以上、飲み会の本質と自分の興味の対象が乖離しているが故のストレス、辛さが、私の飲み会が苦手な理由なのです。

3.飲み会嫌いの僕がしている飲み会での「処世術」

さて、飲み会が苦手な理由がはっきりしました。以上の考察を経て、私が解決策として今行っていることをご紹介しましょう。

➀参加しない

原則、これに尽きます。「ノリが悪いな」と言われるかもしれませんが、これは全く問題ありません。
というのも、そもそも飲み会で最も大切な「ワイワイした雰囲気作り」に貢献できないのですから、行っても行かなくても同じだからです。
行ってもノーバリュー、行かなくてもノーバリューなのです。
だとすれば、自分がストレスを感じない後者を選択するに決まっています。

次に、どうしても飲み会に参加しなければならない場合の解決策をご紹介します。

➁雰囲気作りに貢献できる「芸」をあらかじめ仕込み、ここぞとばかりに発射する

広く浅い会話では、雰囲気作りに貢献できません。
ですが、飲み会におけるバリューとは、会話をすることではなく「雰囲気作りに貢献すること」なのですから、ここに焦点をあてればいいわけです。

この目的を達成するために、一発芸を仕込むのです。

自分の場合、アニメのアフレコや駅員のマネ、歌詞で会話をすること等ができます。
これを、適切なタイミングで、放り込むのです。
皆が会話を楽しんでいるときは、ひたすら黙る。黙り続ける。辛いけれど、ここは我慢です。

―人間伸びんとすれば、まず縮む―井上準之助

虎視眈々と、自分の出番を伺ってください。
飲み会において、ずっと黙り続けたことは今まで一度たりともありません。
飲み会においてほとんどの人は周りに気を遣っています。
なので、ずっと黙っている人を見ると、必ず振ってくれます。
その一瞬、最大限の感謝を胸に抱きながら、渾身の一発を放ち、雰囲気作りに貢献しましょう。

4.おわりに

今回の記事では、コミュ障の自分がどのように飲み会でアプローチをしているかをご紹介しました。
ですが、皆様にはご理解いただきたいことが1点、あります。それは、「決して人間関係を疎かにはしたくないと心の底から思っている」ということです。

「飲み会嫌い」ときくと、人間を避けている人、と思われかねません。ですが、私の場合は違います。
私は一人一人と深くコミュニケーションをとり、ある人がどの様な人間なのか、探究することにとても興味があります。
更に、その様な対話を通じ、その人と繋がりたいという欲求も恥ずかしながら兼ね備えています。

ですので、私はこれからも人と交わり続けます。
バンガロールの皆様、これからも沢山お話ししていただければとても幸せです。ただし、1対1で―――。

「人」の「間」に生きる。それが、「人間」。

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