なんでインド旅行は危険なの？騙される日本人旅行者が絶えない理由とは

インド西部でまたも暴行事件が発生

先週、インド西部の都市ジャイプールで日本人女性が強姦事件に巻き込まれました。
同様のケースは昨年末にも起こっており、ここ3ヶ月で2回目の強姦事件として日本の各種メディアでも大きく取り上げられています。

このような事件は通常の強姦事件に比べても大きく取り上げられてしまうため、多くの日本人にはインド旅行＝危険というイメージがついてしまっているのではないでしょうか。
自分の周囲でもインドに行きたいという女性の友人がいたりしますが、親からの反対で短期のインド旅行すらも断念するというケースが少なくないようです。

意識すれば絶対騙されない？？

日本人で海外旅行に行くのであれば、誰もが最低限の知識や心得を持って旅に出ていると思います。
中にはそれほどの準備もなく軽いノリで旅行をする方もいると思いますが、インドの場合はビザの申請が必要なので半強制的に諸々の準備は強いられることになります。
実際そのような甲斐もあってか、現地で長期で暮らしている日本人が何か犯罪に会うというケースはこれまで聞いたことがありません。

では、なぜ旅行者に限って犯罪が増えてしまうのでしょうか。

・海外旅行で浮かれていたから
・予備知識が足りなかったから
・日本人は人を信用しやすいから

今回のニュースを取り上げているメディアを見ても、インド旅行をする日本人に対しては上記のような注意を喚起する記事が多数見受けられてます。
しかし実際にインドに来てみると分かるのですが、インド旅行では何よりも日本人はインドという国それ自体に戸惑いを覚えてしまうのです。

何を言っているのかがわからないインド英語
普段触れることのない肌の黒い多数のインド人たち
観光地に行くと嫌という程声をかけてくる自称観光ガイドのインド人

このような状況の中でインドにいる間、1日中ずっと犯罪に対して気を張っていることは容易ではありません。
実際インドに住んでいる日本人の大半の方は、インドに住んでいると1日過ごすだけですごく疲れると口を揃えて言っています。

旅行者を騙すための巧妙な手口と準備

「旅行者を騙すインド人が悪い」「騙される方が悪い」という議論からは外れて、これまでの自分自身のインド生活や友人たちの経験談等を元に、今回は旅行者を騙すインド人の手口や準備について説明したいと思います。

インド人の犯罪者たちはその手のプロで、常に旅行者を騙すための巧妙な準備を欠かしません。
英語や日本語を始めとする外国語の勉強はもちろんのこと、旅行者を騙す前には仲間との入念な打ち合わせが行われています。

正確な数値はわからないのですが、インドでは旅行者に対して単独での犯罪よりも集団での犯罪が多いように思います。
中にはタクシーやリキシャーの運転手など、一見信頼できそうな業者とグルになっているケースも少なくありません。
何よりもタチが悪いのがこのような、旅行者が最も困っている状態（目的地への移動、道に迷う等）の際に、彼らは執拗に声をかけてくるのです。

一方でもう一つ犯罪のケースとして多いのが、「観光地を案内してあげる」という誘い文句です。
観光地に着いて意気揚々な旅行者たちに対して、犯罪者たちは声をかけて、嫌にでも観光案内をしようとしてきます。
日本人旅行者の中には海外での異文化交流を積極的求めて、彼らの話に気軽にのってしまうことも少なくないはずです。

このように見てみると旅行者に対する犯罪というのは、彼らの気持ちが両極端な時に最も犯罪が起こりやすくなっていると言えます。
「意識すれば騙されない」なんて思うかもしれませんが、実際に観光地についてその景色に圧倒されたり、海外で道に迷って不安が頂点に達すると、どうしても他人に頼りたくなるのが人間の一般的な心理です。

インド旅行で騙されないために

ではインドを安全に旅行するためにはどうすればいいのでしょうか。
極論を言えばその人自身の運も関係しているとは思いますが、その前に大事なのは、やはり旅行前の準備だと思います。
インドに旅行に出てしまった後では、ネットにつなげる環境も限られていますし、現地で日本語で得られる情報なんてものはゼロに等しいです。

たかが旅行と思うかもしれませんが、インドに旅行するのなら準備はやりすぎと言っていいほど、しても足りないぐらいだと思います。
現地に信頼出来る日本人、インド人の知り合いがいるなら話は別ですが、誰も知り合いがいないような土地に一人、もしくは少人数で旅行するのであれば、必ず事前のリサーチは入念に行っておいてください。

空港に着いた後のタクシーは？
（インド着の便は深夜便が多い）

観光地からホテルまでの所要時間は？
（インドの道は非常にわかりにくい）

観光地のチケットはどこで手にいれる？
（ガイドを装って偽物のチケットを売る人もいる）

ホテルの信頼度は？立地は大丈夫？
（インドでは過去にホテルに犯罪者が入ってくるケースも）

移動手段に使う交通手段は？その目印は？
（偽物のタクシーや嘘の情報を言ってくるインド人も多数）

これは別にインドに限ったことではありませんが、最後に頼りになるのは自分自身です。
しっかり準備ができている旅行者であれば、「日本語を話すインド人が危険」、「観光地では偽札を渡してくるインド人がいる」、「インド人は間違っていたとしても質問には答える。」、このような事前知識は持っていると思います。

インドは日本ではありません。

重要なので繰り返します。

インドは日本ではありません。

日本の常識が通用しない国、それがインドです。
そんな国だからこそ得られる経験はとても貴重だし、それはその後の人生においてもとても有益なものになると思います。
実際のインドは本当に素晴らしい国です。
治安だって必ずしも悪いわけではありません。
（個人的にはフィリピンに行くほうが危険な気もします。）

せっかくの貴重な経験、旅行で不幸に見舞われないためにも、ぜひインド旅行をする際には、しっかりと準備をして現地で満足する経験を得られるようにしましょう。