今回は次回に続いて、2014年にインドだけでなく世界中を席巻したITベンチャー７選のうち、残りの3社をご紹介します。

①FreeCharge(フリーチャージ)

Freechargeはof Accelyst Solutions Pvt. Ltd社が展開する、インドで今最も流行っているSIMカードのリチャージ（インドでは機器とは別に各社SIMカードを購入し、SIMカードに料金をチャージする必要があります。参照：インドの携帯キャリア事情）、オンラインでの公共料金の支払い、オンラインクーポンのダウンロードなどができるプラットフォームです。

Freechargeを通してSIMカードのリチャージをすると、飲食店・映画館・ショッピングモールなどで使用可能なクーポンをもらうことができます。
実店舗に出向く手間を省くことができる上に、リチャージの手数料がかからずクーポンがもらえるなんて、めちゃくちゃ嬉しいサービスですね。
今では1000万人のユーザーを抱えるまでに成長しています。Sequoia Capital、Sofina、RuNetなどから今年の10月に約3300万ドルの出資を受け、今インドで最もノリにノっているITベンチャーの１つです。

②CommonFloor(コモンフロアー)

CommonFloorは、２００７年に設立された不動産情報を取り扱うウェブサイトを運営するベンチャーです。
インドではCommonFloorとHousing.comが成長株の不動産系サービスとして注目を浴びていますが、CommonFloorは高級アパートの販売、賃貸に特化しています。

最近では、”Right Step”という不動産オーナー向けコミュニティを立ち上げ、彼らを対象にセミナーを主催したりもしています。CommonFloorはアメリカのヘッジファンドであるTiger Global Managementなどから約1700万ドルを調達しました。
インドの不動産系サービスは新進気鋭のベンチャーHousing.comの他にも99Acres、MagicBricks.comなど脅威となる競合が多いレッドオーシャンですが、CommonFloorは今回の調達をきっかけに更に成長角度を高めていくでしょう。

③Housing.com(ハウジング・ドットコム)

Housing.comは、2012年に設立されたCommonFloorと共に投資家たちの注目を集める不動産系ITサービスです。
高級路線のCommonFloorに対して、Housing.comは広範囲の所得層の人々に対して不動産情報を提供しています。

その特徴として当人たちが”インタラクティブなユーザーエクスペリエンス”とうたっている通り、インターフェイスが優れているので、自分の目当ての不動産情報をストレスなしで探す事ができます。
また、彼らはビックデータ解析に力を入れていて、膨大な情報からユーザーの条件に最適な物件を瞬時に推奨してくれることも”インタラクティブなユーザーエクスペリエンス”に一役買っているのでしょう。

僕も今アパート探しにHousing.comを使っていますが、単なる不動産情報の羅列ではなく地図上で条件を絞りながら検索することができるので、非常に使いやすい印象です。
Housing.comはHelion Venture PartersやQualcomm Venturesらから約2000万ドルを調達しました。

上記の不動産系ITサービスCommonFloorとHousing.comの新進気鋭ベンチャー2社による激しい争いは下記の表によくまとまっているので、ご参照ください。

(参照:yourstory”[Infographic] Clash of the Titans: CommonFloor vs. Housing”)

CommonFloorはこれまでPG（Paying Guest：田舎から都会に出てきた若者が下宿するシェアハウス。ちなみにPGを舞台にボリウッドで映画化されていて、インド版テラスハウスのような感じです。嘘です。出会いは全くありません。）の検索サービスを保有していませんでしたが、2014年にFlat.toを買収し、PG検索に進出してきました。

CommonFloor、Housing.com共に設立から10年経っていない若いサービスですが、今後も成長が見込まれ、両者はインドの不動産情報サービス市場において更に激しいしのぎを削る事になりそうです。

インドの注目ITベンチャー7選、いかがでしたか？
これからも外資系企業によるインドのベンチャー投資競争は更に白熱していくでしょう。世界中の注目を集めるインドのベンチャーに大注目です！