India Note|インドの現代を知るウェブメディア

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超学歴社会インドの受験戦争の現状。インドNo.1大学IITが主導する統一試験JEEとは

白熱化するインドの受験戦争

インドにおいて学歴は非常に重要なステータスです。
法律としては廃止されたカースト制度も、まだまだ制度それ自体は社会に根強く残っており、特に農村部ではその傾向が顕著になるといいます。

そのため貧しいカースト出身のインド人は学歴というステータスを得ることによって、自分たちの生活水準をなんとか引き上げようと、必死に努力を重ねます。
特に現在インドが力を入れているITの分野ではカーストに関係なく高額な給与の職種に就くことができるため、多くのインド人が子供の教育に熱を入れ、その競争は日に日に激化しています。

今回はそんなインドの受験戦争の象徴とも言える統一試験、JEEについて紹介します。

インドのセンター試験、JEEって?

JEEは日本でいうセンター試験のようなテストであり、インドの有名理系国公立大学に入るためには必ずこの試験を受けなければなりません。
JEEにはJEE-MainとJEE-Advancedの2種類のテストがあります。

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India Todayより)

JEE-Advancedは大学の2次試験としての役割を果たしており、それを受けられるのはJEE-Mainの成績上位者10%に限られています。
昨年は約126万人のインド人学生がJEE-Mainを受験して、その後約15万人がJEE-Advancedのテストを受けたそうです。

その中から最終的に16校あるIITやそれに並ぶ超難関理系大学に進学する学生が決まっていきます。
最終的な合格者は16校合わせて約1万人であり、IIT受験者の98%が涙を呑むという、超難関中の難関です。
(※ハーバードでも合格率は5.9%、MITは8.9%、スタンフォードは6.63%あるそうです…)

IITへの切符はインド人の名誉

IITへの入学証明書は”ticket to another life”(新たな人生への切符)と呼ばれるほど名誉あることであり、地方ではIIT合格者が出ると、号外が出されるほどです。
さらに成績上位者(超エリート中のエリート)は国からお祝いがされる他、特別なイベントに招待されるなど、受験一つで異常な扱いをされます。

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(インドNo.1の大学と言われるIITマドラスの本校舎)

一方で地方の貧しい家庭では、子供に教育費をかけすぎて自分の土地を売ることになった親がいたりするなど、教育に対する異常なまでのストーリーは毎年絶えることがありません。
日本にも多くの教育熱心な親がいると思いますが、ここまでの熱気はインドの競争社会があってこそだと思います。

インド人が優秀と言われる所以は、このような受験競争に一因があるのではないでしょうか。

【参照】
http://priceonomics.com/the-iit-entrance-exam/
http://indiatoday.intoday.in/story/middle-path-the-way-out-of-iit-exam-stalemate/1/202749.html

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