India Note|インドの現代を知るウェブメディア

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インドに広がる日本発教育サービス「KUMON」とインドの学歴事情

道で見かけたおなじみのマーク「KUMON」

くもん

ベンガルール屈指の高級住宅街インディラナガーの小道を歩いていると、見覚えのあるマークに気がつき足を止めました。

そう、日本ではおなじみの公文式です。

ググってみたら、実は公文式って海外でめちゃくちゃ流行っているらしいんです。
(恥ずかしながら全く知りませんでした)
生徒のレベルに沿って難易度があがっていく独自のカリキュラムが受け、海外に8400教室を展開しているそうです。

公文式はここインドにも2004年に初展開を果たします。
2013年にはここベンガルールに進出。
ベンガルールはIT企業が外資系企業のハブであり、シンガポールやアメリカで教育を受け出戻ったインド人が多いことから人気が沸騰したそう。
現在では5都市41教室を展開するまでに成長しています。
2016年までに教室数を倍増させる予定だそうです。

では、なぜここインドで公文式はウケているのでしょう?

公文式の成功とインドの教育環境

公文式の成功は公文式がインドの教育分野の状況にマッチしたため成功していると考えます。

①圧倒的な学歴社会インド

その理由の1つはインドが圧倒的なまでの学歴社会だからです。
「10・2・3制」となっているインドの教育制度ですが、初等・中等・高等教育、それぞれのステージで熾烈な競争があるそうです。
その中でも大きな関門が高校と大学に入学する際の2回ある全国統一試験です。
Graduate Aptitude Test in Engineering

この試験が彼らの人生を決定します。
良い給料を得るためには政府関連企業か民間の大企業(特に外資)に就職する必要があります。
そのためには狭き門である有名大学に進学する必要があり、そして、有名大学に入るためには良い高校に入る必要があります。

これだけの人口がいるわけですから、その競争の熾烈さは日本のそれを遥かに凌駕するものなのでしょう。
(ちなみに有名なIITの入試倍率は60倍です。)
そのため、彼らには子供に小さい頃から学年ではなく能力に合わせて教育を受けさせたいニーズがあるのです。
このことはMBA取得後、大手銀行に努めている同居人も話してくれました。

②中産階級の増加

もう1つの理由は経済発展による中産階級の増加です。
(中産階級を高等教育を受けており、専門的知識によって平均以上の収入を得ている層とします。)

凄まじい勢いで成長を遂げるインド経済は中産階級の人口を大きく増加させています。
現在は総人口の6〜7%が中産階級ですが、2020年にはその数は40%を超えるそうです。
インドの人口を13億人とすると約5億人が中産階級となります。

彼らは自分たちが受けた教育によるITや会計、法律などの専門的知識によって成り上がったため、
それ以上の教育を子供に受けさせようとしてます。
このことがインドのここ最近の教育熱につながっています。
なんと、インドの教育産業の市場規模は5.4兆にのぼります。

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(IIT Bombayの校舎写真。禍々しい。笑)

上記のようにインドでは成り上がった層による教育熱が非常に高まっており、
今後も止まらない人口増加と経済成長も相まって更に学歴社会が激化し、それに合わせて教育市場も盛り上がっていきそうです。
日本でもエドテックが流行ってきていますが、日本発、インドで成功しているKUMONに続く日本発エドテックサービスが出てきたら面白いですね。

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